玄関の鍵が回しにくい時、鍵穴に油を注すのはNGだった!?

自分で出来るメンテナンスについて

ご自身で出来ることは【汚れ】、【滑りが悪い】に対するメンテナンスになります。
逆に言うと、自分で出来るメンテナンスを正しくしていれば、大きなトラブルになることも少ないでしょう。
頻度は鍵の消耗具合にもよりますが、先に述べたように「固いな」「回しにくいな」といった違和感を持った時にやりましょう。

まずは【汚れを取る】こと

【鍵穴】+【円筒】
掃除機で鍵穴の中の汚れを吸い取ります。
掃除機の先端を隙間用ノズルに変え、小刻みに揺らしながら吸い取るとやり易いですよ。
もしくは、エアダスターで中の汚れを飛ばしてかき出す方法も有効です。
【鍵】
古い歯ブラシなどでブラッシングします。
鍵は服のポケットやカバンの中にしまわれることが多く、意外と繊維やほこりが付いていたりするのです。
※注意※
水で洗わないでください!錆の原因になります!
雨などで濡れてしまった時も、しっかり拭いてから鍵穴に入れてくださいね。

次に【滑りをよくする】こと

【鍵穴】+【円筒】
この時に【潤滑油】として油や油分を原料にした合成潤滑油(CRC・シリコンスプレーなど)を使用する方がいらっしゃいますが、それは厳禁です!
一時的には滑りが良くなるかもしれませんが、その後、素人では取れにくい汚れになり故障の原因となります。
油は、埃や塵とくっつくと粘着質になり固まってこびり付く性質があるのです。

実はあまり知られていませんが、潤滑剤には【乾式潤滑剤】と【湿式潤滑剤】があり、油は後者の【湿式潤滑剤】にあたります。
住宅用鍵専用の潤滑剤は【乾式潤滑剤】(パウダースプレー)になります。細かな粒子を吹き付けて滑りをよくするタイプです。ホームセンター等にて1000円以内で購入できますよ。
このパウダースプレーを鍵穴の中に少量スプレーしてください。
粘度が低いため、少しの量で細部まで行き渡らせることが出来ます。少しずつ噴射してください。

【鍵】
こちらは応急処置ですが、【鉛筆】が使えます。
鍵のフチやくぼみを鉛筆でしっかりなぞり、黒鉛を擦り付けます。その鍵を鍵穴に数回抜き差しすると、少し滑りが良くなりますよ。(その後、鍵はティッシュ等でしっかり拭いてくださいね。手や衣服に黒鉛が付いてしまいますので…)

鉛筆の芯に使われている【黒鉛】には金属同士の潤滑効果があり、パウダースプレーにも【黒鉛】の微粒子を使ったものがあります。
そのため、鉛筆(Bや2Bなど濃いもの)を利用できるのです。
ただし、本格的なメンテナンスとは言えませんので、お時間のある時に他のメンテナンスを行ってくださいね。

ちなみに、冒頭のように既に鍵穴に油を注してしまっている方は【洗浄】が必要かもしれません。
まず【汚れ】と【滑るをよくする】ためのメンテナンスを試してみても鍵の調子が悪いときは、頑固な汚れがこびりついている可能性が高いです。管理会社や鍵屋さんに相談しましょう。
市販されている鍵穴専用の洗浄剤もありますが、それらの使用ももちろん自己責任となります。精密機器の【洗浄】は難しいものです。しかも、鍵穴の内部は見えないところなのでより難しくなります。鍵屋さんはプロならではの技で、時には円筒内部を分解・パーツ洗浄など対応してくれますよ。
自分で分解……は考えない方がよさそうです。下手をすると、ドアごと交換が必要になり数十万円の出費!なんてこともあります。

賃貸物件に引っ越して間もないのに鍵が回りにくい、はまりにくいと感じるときは【合鍵】の精度が悪い可能性も有ります。
大家さん・管理会社に連絡をして【純正キー】での開閉を試してもらいましょう。
持ち家の鍵をコピーしたい場合は、鍵屋さんの店舗でお願いするよりも、メーカーからのお取り寄せをお勧めします。

とはいえ、普通に生活をしていただいている分には≪鍵が壊れる≫ということ自体、稀だと思います。経験上、≪油を注してしまった≫など原因がハッキリしている故障がほとんどです。
なるべく快適に暮らすためには、日頃の正しいメンテナンスと、時にはプロに頼ることが必要だということですね。

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