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賃貸住宅の契約には2種類
皆さんがマンション・アパート・戸建などを借りる時には、借主の方と貸主の方との間で≪契約≫を交わしますよね。
賃貸住宅の契約には2種類あります。それは【普通借家(フツウシャッカ)契約】と【定期借家(テイキシャッカ)契約】です。
あまり聞いたことのない言葉で、「すごく難しそうだなぁ」と感じる方も多いかもしれませんね。しかし、お部屋の契約について、どのようなものなのかを理解しておくことは、たいへん重要なことです。
なるべくわかりやすく説明してみますので、最後まで読んでもらえればと思います。

まず、一般的に普及している契約は【普通借家契約】の方です。
契約年数は2年間で結ばれることがほとんどです。(もちろん中には不規則な契約期間の場合もあります。最低契約年数は1年間という決まりはあります。)
【2年更新】と言った方が伝わりやすいでしょうか。そうです、【更新料】に関わる事項なのです。
入居の際に【普通借家契約】を交わし、そのお部屋で契約年数を暮らし、「今後もこのお部屋に住みたいな」となった場合は、住み続けるために≪契約更新の手続き≫を行うのです。この際に【更新料】や【更新事務手数料】が必要になります。
【普通借家契約】のポイント
(1) お部屋を借りている方から【途中解約】をするのは自由であること
(2) お部屋を貸している方から【解約】する・【契約更新】を断る場合には、「正当な事由」(戻ってきてそこで住む、売却の必要があるなど)が必要になること
この「正当な事由」は、貸している方・借りている方の様々な事情によりますが、一般的にはなかなか認められません。
つまり、この契約はお部屋を借りている方の≪住む権利の保護≫の視点を含んでいます。
これによって、借主がどれだけ周囲の住民に迷惑をかける人だったとしても、大家さんからは「出て行ってくれ」とはなかなか言えないのが賃貸の現状です。
また、近年の社会問題として取り上げられることの多い空き家問題の原因のひとつにもなっています。
老朽化した古い賃貸住宅が空き室になった場合、「建て替え」のことを考えると、次の借主に貸し出すのは難しいのです。なぜなら、「建て替えるから出て行ってくれ」というのは、【解約】・【契約更新】を断る「正当な事由」と認められないことが多いからです。
木造の古い家屋はそのまま放置すると火災の原因にもなりますし、治安の面を考えてもよい状況ではありません。また、町や地域の美観も損ねる結果となります。
このような状況をふまえて、平成12年(西暦2000年)に【定期借家契約】という新しい法律が施行されることとなりました。
【定期借家契約】のポイント
(1) 契約年数は自由(1年未満も可能、しっかり確認しておいてくださいね)
(2) お部屋を借りている方から【途中解約】する場合にも、【正当な事由】が必要な場合が多い(急な転勤等も認められる場合があります)
(3) 交わした契約書の期間が満了すると契約が終了する(更新ができない)
(4) ただし【再契約】は借主・貸主が合意すれば可能
などが挙げられます。
つまり、基本的には期間限定の貸し出しになりますが、「今後もこのお部屋に住みたいな」となった場合は大家さんに【再契約】をお願いして合意となれば、その再契約の契約年数分は住み続けられます。その際には【再契約料】等が必要な場合もあります。始めの入居時に、再契約可能かどうか等は確認しておいた方が良いでしょう。
※ポポラートに掲載の定期借家契約は【再契約型】となります。
契約時の説明書面で、予定する再契約の条件も明記するようにしております。時には【普通借家契約】で2年後の更新時に、急な家賃の値上げを求められることもあるようですが、ポポラートの【定期借家契約】は、経済情勢が大幅に変わるなどの理由がない限り、予定する再契約の条件は変わりませんので、お客様からすれば安心感があるかと思います。
そして【定期借家契約】の大きなメリットとして挙げられるのは、大家さんが「近所迷惑な住人の長期賃貸を防げること」です。
【普通借家契約】の方では≪借主がどれだけ周囲の住民に迷惑をかける人だったとしても大家さんからは「出て行ってくれ」とはなかなか言えない≫と説明いたしましたが、【定期借家契約】だと≪契約期間満了≫という理由でスムーズに借主に引越しをしてもらうことが可能になるのです。
これにより、賃貸マンションやアパート、近隣の環境を整えることができるんですね。
テレビ、ネット等では隣人トラブルが騒がれることがありますよね。お隣の方とのトラブルは、何もないことが一番良いのですが、仮に発生した場合でもこの【定期借家契約】であればトラブルの長期化を防ぐこともできます。
これからお部屋探しをする皆さんもぜひ参考にしていただければと思います。