【契約開始日】は、基本的にはお部屋探しをしているお客さんが決めます。
稀に大家さんから日を指定されることもありますが、ほとんどの場合は、仲介業者さんに「いつから契約されますか?」と訊かれて、お客さん自身で決められます。大安等のめでたい日を選ぶ方、月初めの一日等キリの良い日を選ぶ方、引っ越しの都合を考える方、なんとなく決める方……様々ですが、実はこの【契約開始日】とても重要なのでよく検討してから決定してください!

(1)【契約満了日】を意識してください

たとえば≪大学への通学の為に親元を離れて初めて一人暮らしをする≫場合。

大学の入学式は<4月1日>だとします。ちょっと余裕を持って引っ越し作業をしたいから、<3月20日>を【契約開始日】にしよう!と決めたとしますね。大抵の場合、賃貸マンションは<2年契約>になり、契約開始から2年後に1回、賃貸契約の更新を行います。つまり、4年後の大学卒業の年の<3月19日>に契約更新もしくは満了(終了)のタイミングが来る、ということです。
となると、気になるのは卒業式の日程ですよね。実は、卒業式が3月下旬にある大学もよくあります。京都の大学のここ数年で例を挙げれば、京都大学は<3月24日>、生徒数の多い立命館大学は<3月21.22日>に卒業式がありました。このスケジュールでは、卒業までゆっくり住めなくなってしまいます。
もちろん契約更新をすれば良いのですが……。

更新の際には、新規契約時と同様に契約書を再度作成する事が一般的です。「更新料」と「火災保険料」の支払い、「更新書類」には連帯保証人の方の捺印が必要になり、「印鑑証明書」の提出もお願いすることになります。(更新の手続きについても、契約の前に確認しておくことをお勧めします。)

わずか数日のために、支払いが増えさらにこの作業をしなければいけないとなると、結構大変ですよね。そのため、契約開始日の2年後に【契約満了日】が来ることをイメージし、ご自身の卒業式などの日程も考慮した【契約開始日】を検討・決定することが大切です。

(2)【決済金】についても知っておくと、お金を賢くやりくりできます

【決済金】とは、契約時に支払うお金のことです。内訳は敷金/礼金や火災保険料、賃料などになります。この場合の賃料とは、一般的には<契約開始月の日割り賃料>と<翌月分の賃料>が必要になります。
この≪決済金内の賃料分≫が、【契約開始日】によって額が変わるのです!
というのも、<1日>に契約開始すると、≪決済金の賃料分≫は<当月分賃料>のみになるのです。<2日>に契約開始すると、4月なら<残り29日分の賃料>と<5月分の賃料>が必要になります。この2つのパターンだと、決済金額の差が賃料1ヶ月分近く分も出てくることになりますね。
支払いの<総額>に違いはありません。【決済金】として一度にたくさん支払うか、<翌月分の賃料>として分けて月末に支払うかの違いですから。しかし、<総額>は変わりないとしても、その支払いタイミングが違うのです。引越し時には色々と物入りになります。引越し代、新しい生活に必要な家具家電、ドタバタして外食も増えるかもしれません。そういったことを考慮すると、<1日>を【契約開始日】にすることは、やりくり上手と言えるのではないでしょうか。

(3)【契約開始日】で引越費用も調整できる!?

多くの方は、引越しは業者さんに依頼するかと思います。その代金は、時期や曜日、六曜、時間帯によって大きく金額が変わるのです。
引越し案件の多い3月下旬・4月上旬は高くなり、業者さんによってはオフシーズンに比べると倍近く変わります。8月・9月も比較的高いですね。土曜・日曜・祝日も平日と比べると高くなります。また【大安】も高くなり、逆に【仏滅】は安くなる傾向にあります。午前開始・午後開始でも代金が変わります。
そのため、【契約開始日】を少し調整して<安い日時に引越しをする>ことで、トータルの金額が安くなる場合もあります。
ぜひ、引越し日時についても、早めにいくつかの業者で見積もりを取ってみてくださいね。

まとめ

・契約満了日がいつ来るのかを想定する
・決済金の仕組みについて理解する
・引越し代金は時期・曜日・六曜・時間帯で大きく変わる場合がある

以上の3点をヒントとして、ご自身の都合の優先順位と照らし合わせて、【契約開始日】をよくご検討ください。
但し、【契約開始日】がなかなか決まらず申込みが遅れてしまって、大家さんからの印象が悪くなり断られるケースもあるので、悩みすぎには注意して下さいね。

投稿者 やだ

得意分野は【マンションの設備メンテナンス】と【生活での困りごと解決】実体験を基にしたマニアックな知識と解決経験を持っている。