家賃の支払い方法には、4種類の方法があります。

(1)手渡し (2)振込 (3)口座引き落とし (4)クレジットカード

支払い方法はその物件毎に違っていて、大家さんが支払い方法を決められています。家賃は金額も大きく、毎月のことですから、なるべく自分に合った支払い方法だと良いですね。今回は、少しヒントになりそうなメリット・デメリットを説明します。

(1)手渡し

こちらは一番昔からある方法です。
手続きなどもなく、【家賃を直接渡す】だけなのでシンプルですね。金融機関へ支払う手数料なども必要なく、経済的です。
会ってお話しするので、親しくなれることもあります。この方法の場合は大抵、大家さんも同じマンションの1室や隣の建物に住んでいたりするので、困りごとも相談しやすいですし、ご近所さんと連携を取っておきたい方には心強いかもしれません。
ただし、大家さんが不在の時には、日時を改めなければいけない場合もあります。「今なら居るかな?」とタイミングを考えることや、【会う】【話す】ことにストレスを感じる方にはデメリットになりますね。
さらに注意していただきたいのは、二重支払や、払った払ってない等のトラブルが起こる可能性があるということ。トラブルを避けるためにも毎回、支払証明書(領収書)をもらって保管しておきましょう。(入居時の分から全て保管しておくことをオススメします。)
最近は近くに住んでいる大家さんも管理会社に管理を任せる方が増えてきましたので、少なくなってきている方法だとは思います。

(2)振込

大家さんが指定する銀行等の口座に、入居者様が【毎月振り込みをする】という方法です。一番多いパターンではないでしょうか。
手渡しと違って直接大家さんと会う必要がありませんし、銀行などの金融機関の窓口での手続き申請もありません。(ただし、家賃が10万円を超える場合は本人確認の為窓口に行かなければなりません)
ATMで入金出来るので、ご自身のスケジュールに合わせて支払いが可能です。ATMがあれば、コンビニや駅、ショッピングモール等でも振込できます(硬貨の取り扱いがない所・取扱時間が決まっているATMもあります)。インターネット上で振込が可能な銀行もありますね。
ただし、金融機関を通す支払方法の為、手数料がかかります。手数料は、銀行・支店によって、またはキャッシュカードで支払うか現金で支払うかによって値段が変わります。振り込み手数料は基本的に入居者様の負担となりますので、事前に調べることをオススメします。

そして「今日は忙しいから明日にしよう」と思いつつ忘れてしまう、といったケースもよくあり気を付けなければいけません。【支払期限を守る】という信用は大切です。 日曜や祝日には、ATMが使えても実際の入金は翌日になることもあります。支払期日が連休だったりすると、期日を守るつもり/守ったつもりで遅れてしまった、なんてことになりかねませんので、きちんとカレンダーで確認しておく必要があります。 また、ATMでの振込先や金額を間違えると大変です。後で差額をもう一度振込する(しかもまた手数料がかかる)なんてことになります。特に「水道代などの変動費を家賃と一緒に振り込む契約」の場合は毎月金額が変わりますので、慎重に行いましょう。 手渡しの場合と同じように、支払証明書(振込明細書)も保管しておいてくださいね。

(3)口座引き落とし

入居者の方の銀行等の口座から、自動的に引き落としにて家賃を支払う方法です。
支払いを忘れたり、金額を間違える等はありませんし、振込よりも正確で便利ですね。支払の記録も口座の履歴に残り、証明になります。
ただし、入居者は口座振替依頼書(口座引き落としを了承する書類)を提出する手続きが必要です。金融機関によっては手数料がかかりますので、よく事前確認をしてください。
また、口座に入っている金額が引き落としの設定金額よりも少ない場合は引き落とされません。「家賃が支払われていません」という督促の連絡が来てから事態に気付く場合が多いかと思います。【口座の残高】に気を付けてくださいね!

(4)クレジットカード

最新の家賃の支払い方法です。少しずつ増えてきています。一番【お得】な方法とも言えるでしょう。すでに公共料金や通信費はクレジットカード払いにしている方も多いのではないでしょうか。家賃だけでなく、敷金や礼金といった初期費用もクレジットカードで支払える物件もあります。
クレジットカード払いの最大のメリットは、ポイントが貯まるということです。家賃は一ヶ月の出費の中でもウェイトが大きく毎月継続して支払うもの。必ず払う金額にポイントがつくわけです。

【具体例】支払額に対して1%ポイントが貯まるクレジットカードの場合
家賃[50,000円]の場合、毎月500ポイント。
年間 [600,000円]を支払い、ポイントは合計[6,000ポイント]貯まります。
カード会社により還元率などは違いますが、6,000ポイントは還元率の平均0.5%だと3000円分、最近多くなってきた1%だと6000円分の価値となります。4年間同じ家賃の部屋に暮らすとして、上記の還元率の場合12,000~24,000円分のポイントになると考えれば、かなりの【お得感】ですよね。

年会費の必要なクレジットカードも「年間○○円以上の利用で年会費無料」という条件があったりします。そういった条件も、家賃等まとまった支払いで利用すればクリアできます。

ただし、【口座引き落とし】と同じように、初めに手続きが必要になります。物件によっては、新規でカードを作らないといけない場合もありますので、既に持っているカードでいけるのか、契約前に確認しましょう。
そしてクレジットカードは現在【○月分の支払いをしている】などの把握が複雑です。クレジットカードで支払うと【後払い】となります。通常、家賃は翌月分を【前払い】するものなのですが、その分はカード会社(決済会社等)が先に支払ってくれて、カード会社からの引き落としは基本的に【後払い】となります。
「思っていたより今月分の支払いが多い!」とならないように、なるべく使用するカードは少なくして、まとめて支払うことをオススメします。その方が、【口座の残高】管理がやりやすいですから。

ちなみに、入居者様にとっては利便性が高いクレジットカード払いですが、ポイントや決済には当然【手数料】がかかってきます。それは、誰が負担しているのでしょうか。
実は、大家さん・お店側が負担しているのです。大抵のカード会社には、「お客様がクレジットカードで支払った場合、その決済にかかる手数料は、お店側が負担しなければならない」というルールがあるのです。(一部、違う会社もあります。)
手数料の負担はありつつも、お客様のニーズが多くなり、今では来店理由にもつながるため、徐々にクレジットカードで支払い可能な賃貸物件・お店も増えています。
また、大家さんにとって、入居される方が【きちんと家賃を支払ってもらえる方かどうか】という点は重要です。クレジットカードを持っておられるということは、その方はクレジットカード会社の与信が通っている、つまり信用があるということが分かるので、そういう面では大家さんにとってもメリットがあります。

まとめ

さて、家賃の支払い方法4つをまとめてみましたが、いかがでしょうか。
大きな金額のことなので、慎重になるかと思います。メリットを比べると【ポイントが付く】クレジットカード払いはとてもおススメです。
まだ可能な不動産やさんは少ないですが、ポポラートもクレジットカード払い対応可能な物件を掲載しています。詳しくは、お気軽にお問い合わせ下さいね。

投稿者 なかざわ

マンション管理一筋20年のベテラン管理職。真面目な頭脳派、家族&猫(可愛い)と暮らす40代男性。得意分野は【賃貸市場の動向等のマーケティング分野】と【リフォーム等の住まいづくり分野】 知識量・経験値(失敗談含む)はライター内ナンバーワン。 [宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士]