お部屋の内覧をご案内した時のことです。
「場所や内装はすごく気に入ったけど、外に洗濯機を置くってトコロが心配……」と悩まれた方がいらっしゃいました。みなさんもお部屋探し中に見たことありますよね?洗濯機を設置できるようになっているところが、ベランダにあるお部屋。
実は、私はそのタイプの部屋に数年住んでおります。だってメリットを多く感じるから……!!(めちゃくちゃ個人的意見です!)

というわけで、今回はベランダに洗濯機を置くタイプのお部屋についてお話させていただきたいと思います!
目次
なぜベランダに洗濯機を置くの?
そもそもなぜベランダ?と感じる方も多いでしょう。というのも、脱衣所や洗面所に洗濯機を置いているご家庭が一般的かと思います。
雨や雪が多い地域ではサンルーム付きの物件も多いらしいですね。鹿児島に住む友人から「桜島の火山灰のために洗濯物は部屋干しが基本」と聞いたときにはビックリしました。
そういった環境で育ってきている方にとって、洗濯機を外に?家電製品を外に?と疑問・不安を抱かれるのも無理はありません。
特にお一人暮らし用の賃貸マンションには多く見られるため、【初めての一人暮らし】のためにお部屋探しをしている方にとっては、もしかしたら一番違和感があるところかもしれませんね。
物件詳細欄には、【室外洗濯機置き場】等と記載されています。反対に、お部屋の中に洗濯機を置ける部屋には【室内洗濯機置き場】等と書かれています。
【外】と【内】……文字ではぱっと流し読みしてしまいそうな小さな違いですが、実際はその点で悩まれる方も多いようです。
先に述べたように天気等の条件が厳しい地域でない限り、ベランダに洗濯機を置く仕様になっているマンションはまだまだ多くあります。
私は主に京都・大阪・滋賀の物件を管理する管理会社に勤めていますが、この地域にもたくさんあります。築年数が古いマンションでは【給水管】と【排水管】を設置できるところが室内に作れないから、という理由でベランダに置く形になっているところが多いです。
新しいマンションでも、お部屋の広さや収納の確保を優先した結果、洗濯機をベランダに配置する間取りになっているところもあります。
ベランダ洗濯機タイプのお部屋で良かったポイント
では実際に暮らしてみて、良かったな~と感じた点を幾つか挙げていきたいと思います。
駅近物件が多い
通学通勤のためにアクセス便利な駅がいい、出来れば駅近物件がいい!となると、実はベランダに洗濯機を置くタイプのお部屋が多くなるかもしれません。
というのも、そういう便利な場所には築年数の古めなマンションが多いためです。
建て替えが難しい・配管位置を変える等の大掛かりなリノベーションがなかなか出来ない等の理由から、場所はいいけど間取り等が古いタイプの賃貸マンションが残っているのです。
家賃が安い
ベランダに洗濯機を置くタイプのお部屋は、室内に洗濯機を置くタイプのお部屋と比べて家賃がお安い場合が多いです!
同じ築年数のお部屋と比べても、平均してお家賃が5,000円~10,000円お安くなります。もし10,000円も差が出れば、2年間住むと考えた場合は24万円も節約できますね♪
物干し作業が簡単
ベランダに置いてある洗濯機で洗濯をするのですから、終わったらそのままベランダで干すことが出来ます。水を含んだ重たい洗濯物を、カゴに入れて移動させる手間は省けます。
水漏れ事故が起こっても被害が少ない
洗濯機の故障や、蛇口や留め具が緩いなどの理由から水漏れが起こることがあります。時折耳にするので、経験者の方も多いかもしれません。
被害は大小ありますが、部屋の中に置いていたものが水浸しになっていたらと考えると、後片付けだけでもゲンナリしますよね。上階の住人の方が水漏れを起こしてしまい、布団も服も全部ダメになったなんてケースも聞いたことがあります。
その点、ベランダなら元々【外】ですし、雨水を排水する機能が備わっています。その被害は比ではないでしょう。
では次に、「ここはちょっとな~」と感じた点も正直に挙げていきます。こちらは対策なども添えますね♪
ベランダ洗濯機タイプのお部屋で気になったポイントと対策
洗濯機が汚れる
ベランダは【外】なので、洗濯機も日光や雨風に晒されます。
もちろんベランダの奥行きや壁・置き位置にもよるので一概には言えませんが、少なくとも室内に置いているよりは汚れます。洗濯機の外も中も、室内置きよりもマメなお掃除が必要です。
私も月に一回ほど、掃除をしています。
◇対策◇
洗濯機カバーを付けることをオススメします。インターネットの通販などで1000円くらいから販売されています。可愛いデザインのものや、使い勝手のよいもの、丈夫なものなど様々なタイプのものがありますよ。
また、汚れやすいということは壊れやすいのではないか?と心配される方も多いかもしれません。
これは使う回数等にもよるので何とも言えませんが、実例として挙げますと、私の洗濯機は6年経った今でも快適に使用しております。今は洗濯機もリサイクルショップでも安く手に入りますし、「学生の間だけ」「数年後には転勤がある」など、そこに住む期間がある程度限られている方はそこまで心配しなくてもいいかもしれませんね。
真夏・真冬になるべくベランダに出たくない
部屋の中の気温をせっかく快適にしているのに、ベランダの窓を何度も開け閉めしたくない!
洗う・ハンガーにかけるまでは室内で済ませて、ベランダへはサッと物干し竿にハンガーを掛ける作業だけにしたい!
むしろそんな日は室内干しでいい!
そんな方もいらっしゃるかもしれませんね。
◇対策◇
これはまあ、どうにもならないのですが……ただ、定期的な換気はとても重要です。締め切ったお部屋は埃が溜まりカビも生えやすく、体にもよくありません。
一説によると、一般的な6〜8畳の部屋なら「1日1回」「5分程度」窓を開けると、部屋の空気がほぼ全て入れ替わり理想的だそうです。
洗濯時は【換気タイム】として健康のためにがんばりましょう!
洗濯物の盗難に遭うかもしれない?
地域の治安によるところが大きいですし、珍しい方の事例だとは思いますが、敢えて挙げておきます。
外置きの洗濯機の中に入っている洗濯物の盗難が起こる可能性があります。この場合、外に洗濯物を干すこともリスクは同じですね。特に女性が被害に遭われることが多いと聞いています。
◇対策◇
入居する前に、ベランダへの侵入経路は無いか?人目に付くかどうか?等をきちんと自分の目で確認してくださいね。玄関側にはオートロックがあっても、ベランダ側は出入りがしやすい、なんてマンションもありますので気を付けてください。
また、自衛として明るいうちに洗濯物を済ませることも有効だと思います。
人感センサー付きのライトを設置するのもいいかもしれません。簡単なものなら1000円以下で販売されています。
洗濯機に目隠しのすだれを付けたり柵を立てたりする場合は、避難通路を妨げないように設置する等の配慮が必要となりますので、管理会社にご相談ください。
万が一、被害に遭われた場合は警察に連絡するとともに、自衛方法を含め、管理会社にも相談してみてくださいね。
入居者さんの困りごとに対応することも管理会社の大切な仕事です。例えばこのコラムを載せているお部屋探しサイト【ポポラート】を運営している管理会社の長栄ですと、トラブル対応のために夜間休日対応の窓口も設けており、24時間365日対応しています。
トラブル対応の体制がしっかり整えられている賃貸マンションを選ぶというのも、ひとつ自衛になるかと思います。
まとめ
というわけで、私は個人的に【ベランダに洗濯機を置く部屋】は【立地条件がいいのに家賃が安い】という点が、デメリットを凌ぐ最大のメリットだと思っています。
当たり前ですが感じ方や考え方は各々に違うので、「外に洗濯機を置くなんて嫌だ!」という方もいらっしゃるでしょう。そういう方にはもちろん室内に洗濯機を置けるお部屋をご紹介したいです。
ですが冒頭のように「他の条件は気に入ってるけど、洗濯機を外に置く点だけが心配」とか「洗濯機が室内にある環境で育ったから想像がつかなくて不安」という方には、実際の体験談としてぜひ参考にしてみてほしいです。