近年、お部屋探しをしていると「広々リビング1LDK」というキャッチコピーをよく見かけます。「広々リビング1LDK」は、いま流行の人気の間取りです。

時代によって変わってきた間取り

賃貸マンションの流行の間取りは、時代に沿って変遷が見られます。家族構成や生活様式が変化すれば、自然と住まいに対する要望も新しくなっていくからです。
今から30年以上前、昭和後半から平成初期にかけては「ファミリータイプのマンション」といえば3LDKが主流でした。

夫婦の部屋と子供たちそれぞれの部屋、と考えると、必然的にリビング以外に個室が数部屋は必要になります。

ですが、核家族化が進むにつれ、「多少狭くても個室を確保する」という考え方に基づいた3LDKよりも、「部屋数を減らして広さをプラス」「収納を増やしてスッキリ生活」を実現する2LDKの需要が高まってきました。

そして最近では、2LDKよりさらに個室を減らし、その分リビングを広くとった1LDKの需要が高まっています。

広々としたひとつの空間

家族の気配を感じながら自分の時間も楽しめるようにソファやテーブルセットなどの家具の配置を工夫したり、必要なときだけ間仕切りができるロールカーテンや低めの棚などがあらかじめ用意されているお部屋もあります。

■狭い「一人部屋」より、ゆったりとくつろげる大きなリビングが欲しい。
■リビングは食事をするだけの場所ではなく、みんなが最も長時間過ごす家族の空間。

ファミリー入居者様にとって「リビング」という空間の持つ意味が、昔とはずいぶん変わってきたと言えます。家族の人数が減ったことで、全員が同じ空間で過ごしても煩わしさを感じにくくなった、ということもあるかもしれません。
また、お子さんのいない新婚さんやご夫婦二人暮らしのお客様からも、部屋数はいらないから、

■お友達が遊びに来ても狭苦しくなくて
■食事や趣味などの生活もそこで完結できて
■だからと言って四六時中見られている息苦しさもないような広々リビングが欲しい!

といったご要望が多くなっています。

一人暮らしからの需要

さらに、晩婚化も進んでいます。未婚の30代・40代の方の中には金銭的に余裕がある方も多く、

ちょっといい部屋で気ままな一人暮らしを楽しみたい

というご要望が多いです。
そういったハイクラスシングルの方からも、40~60平米のファミリータイプの広さと、1LDKの間取りは人気を集めています。

【少人数家族】【新婚層】【ハイクラスシングル】

そんな客層からのご要望に、「 広々リビング1LDK 」は見事に応えることができる間取りなのです。

一方、大家さんにとっても、選ばれる物件作りをしていく中で、時代とともに増加している3つの客層に一気にアピールできる1LDKは魅力的です。
ですから、お客様や大家さんからのご要望で、築20年以上経過した少し古いタイプのファミリーマンションは、小さな個室をつぶして大きなリビングを作る改装を行います。

例えば、8帖のリビングと6帖の和室つなげる改装をすれば「 広々リビング14帖! 」という人気の間取りに生まれ変わります。つまり平たく言ってしまうと、「 広々リビング1LDK 」が流行っている理由は核家族化や晩婚化が大きな要因だと言えるのですが、

『家に帰ってからの時間を有意義に過ごしたい』
『どんなに忙しくても、一日一回は必ず家族の顔が見たい』
『家にいる時は子供と同じ空間で過ごせるように』

という、働く大人たちの希望も、「 広々リビング」には込められているのかもしれませんね。

投稿者 なかざわ

マンション管理一筋20年のベテラン管理職。真面目な頭脳派、家族&猫(可愛い)と暮らす40代男性。得意分野は【賃貸市場の動向等のマーケティング分野】と【リフォーム等の住まいづくり分野】 知識量・経験値(失敗談含む)はライター内ナンバーワン。 [宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士]