こんにちは!天野です(*^^*)
学生デザイナーさんが考えたオリジナリティー溢れる個性派なデザインプランを、実際に賃貸物件へと施工して貸し出すリフォームプロジェクト【StamP!-スタンプ-】の25期中間プレゼンが行われましたので、その様子をリポートします!
【StamP!-スタンプ-】公式ウェブサイト
目次
25期スタート!
24期の作品たちが次々と施工に入る中、25期の中間プレゼンが11/30(水)に京都芸術大学にておこなわれました!
スタンププロジェクトは半年のペースで進めています。初期プランを中間プレゼンで発表し、そこで各分野のプロからコメントをもらい、教授の指導のもとそのプランをブラッシュアップ。最終プランをプレゼンして、その中から優秀賞などが選ばれ、実際にそのリフォームプランを施工していきます。
ただ、受賞された作品に合うお部屋がリアルタイムで空室になっているとは限りません。そのため時期がずれ込むことが多々あるんですよね……。
ですので、現在水面下では24期(施工)・25期(プレゼン)の2つの期のプロジェクトが同時に進んでおります(笑)
『個性派リフォームStamP!シリーズ 【Red Line】① プレゼン&施工打ち合わせ!』
今回、参加してくださった学生デザイナーさんは7名。今までは1回生の方の参加が多かったのですが、25期は2回生と3回生のみのご参加でした♬
中間プレゼンの採点は、アセットマネジメント本部の本部長・設計デザイン課の建築士・デザイナー・施工会社の方の計4名でおこないました。
採点は〈機能性〉〈コスト〉〈アイデア〉〈デザイン〉〈プレゼン〉の5項目、それぞれ10点満点の合計50点満点で評価されます。
【StamP!-スタンプ-】のサイトにて、評価の数字をグラフ化して、掲載しております!
普段の授業や課題もあって忙しい中、パワーポイントを使って発表のプレゼン資料を作ってくれています。一部の学生さんはお部屋の模型まで実際に作ってくれていました。
このプレゼンのために、時間や手間をかけてくださって……と、なんだか勝手に嬉しい気持ちになっている中、私自身はプレゼンの様子をおさめるべく写真撮影をしたり、内容をメモしたりと、ひとりだけ慌ただしい時間を過ごしておりました(笑)
さっそく学生さんが提案してくださった作品たちを紹介していきますね♡
【】で囲んだタイトルに、各々の詳細ページへのリンクを貼っております。評価の点数グラフや審査員のコメントなどはそちらからご覧ください。
プラン①凸凹×線
① 【 凸凹×線 】 (提案者:ヤマさん/2回生/参加3回目)
プレゼンのトップバッターということもあり、かなり緊張されていましたが、堂々と発表してくださいました(*’ω’*)
そんなヤマさんが提案してくれた【凸凹×線】は《途切れている線と線を住む人の想像で繋いで、その想像する時間を楽しんでもらいたい》というもの。
天井や壁に配置された木材は敢えて端を揃えずに、段差をつけ階段状にして設置されています。そこがよりオシャレな雰囲気を感じさせますね☆
また、木材の凹の部分には小物が置けたり、ランプを置くと綺麗な影が出来たりする仕組みになっています!
シンプルながらも部屋の印象がグッと変わりそうですね(*’▽’)
木材をどのように加工し塗装をするのか、物を置く想定ならそのために十分な強度はどう工夫するか等、具体的な課題も見えた中間プレゼンになりました。
課題をどう改善し最終プランを作ってきてもらえるのか楽しみです♡
プラン②手を伸ばせば欲しいものが取れる家具
② 【 手を伸ばせば欲しいものが取れる家具 】 (提案者:キムさん/2回生/初参加)
キムさんはテーブルワークを長時間する人たちに向けた家具の提案をしてくださいました!そしてプレゼンのために模型までご用意されていました( ゚Д゚)
写真を見てください、これ、かなり作りこまれているんです……!やはり、模型があるとイメージが湧きやすく内容も理解しやすいですよね~!
ちなみに私は不器用なのでこんな精巧な模型は絶対に作れません(笑)
このアイデアを思い付いたきっかけは、キムさんご自身の経験が元になっているそうです♫
机に向かって長時間作業をしている際、他の場所に置いてある物を取りに行く等の動作のせいで気が散っていき、集中力が切れてしまったことがあったそうです。
確かに私も大学生の時に、ついつい気が散って集中できず、課題が思うように進まないという経験がありました!(ちなみに私は家で課題をせず、大学やお店にこもることが多かったです)
このような経験は誰にでもあることではないでしょうか?
この家具ならたくさんの物を収納出来ますし、物を取る時も手を伸ばすワンアクションなので集中力の邪魔をしませんね。
移動をせずに机と椅子だけで作業が完結するという、画期的な家具ですね(^_-)-☆
ただ、現在想定されているサイズだと、家具の重量がかなりのものになります。そこをどう改善していくのかが今後の重要な課題点となりそうです。最終プレゼンまで頑張って試行錯誤を重ねていただきたい作品です♪
プラン③Pop room
③ 【 Pop room 】 (提案者:甲斐さん/2回生/3回目の参加)
甲斐さんは普段の生活の中で、白や黒、グレーなど視覚的に単調なものが多いと感じているそうです。《家の中では鮮やかな色と共に生活をより楽しんで欲しい!》という考えから着目した今回のコンセプト。
実例をもとにアイデアを練られていて、発表のスライド写真からもわかるように、鮮やかなカラーリングで遊び心が散りばめられています*。
しかも色が人にもたらす効果を踏まえているんです!例えば〈青色は集中力を高める〉〈緑色はリラックス感を与えて心と身体の疲れを取る〉等、色彩心理学を応用してカラーコディネートを組んでいるそうです。
確かに〈真っ白なお部屋〉と〈カラフルなお部屋〉とでは印象がガラッと変わります。彩りがあることで、生活にもゆとりや遊びが生まれるかもしれません。
今回のプレゼン資料では家具にも鮮やかなペイントを施していますが、そのプランはまだ決めかねているそうです。カラフルな家具は残るのかどうか、採用カラーは何色になるのか……最終プレゼンではどのように修正されてくるのでしょうか?!
プラン④hang 個性を吊るす
④ 【 hang 個性を吊るす 】 (提案者:赤松さん/3回生/2回目の参加)
赤松さんは〈部屋を広く使いたい〉〈収納が欲しい〉などの、賃貸ならではの悩みを解決するだけでなく、更に《その部屋に住む人の個性までも反映できる》シンプルな部屋を提案されていました(^O^)
【hang】というコンセプトの名の通り天井の四隅や縦横に木材を組み、そこにロープやワイヤーを張り巡らせ、様々な物を吊るすことができるデザインです☆彡
最近は敢えて扉付きの収納に仕舞いこまない〈見せる収納〉も増えていますし、ドライフラワーや写真を吊るして飾るインテリアも流行っています。今の時代をしっかり捉えている案ですね~!
プレゼン資料も分かりやすく、内容がしっかりと伝わってきました。
そして赤松さんも模型を作ってくださっていましたよ!本当に皆さん器用なんですね……羨ましいです……。施工会社の方へ模型を使いながらプレゼンの補足をしていて、非常にバイタリティー溢れる赤松さんでした♡
ぜひ、このままの熱量で最終プレゼンまで走り抜けていって欲しいです!
プラン⑤「ぶらさがる」部屋
⑤ 【 「ぶらさがる」部屋 】 (提案者:井上宝さん/3回生/初参加)
StamP!初参加の井上さんは《部屋の中でもアクティブに動くことが出来る》一見変わったデザインを発表してくださいました!
なんと、既製品の鉄パイプを壁や天井に設置し、ちょっとしたジャングルジム風のお部屋に仕上げるという大胆な案でした( ゚Д゚)
確かに懸垂は筋肉を効果的に鍛えられる運動ですし、ぶらさがり健康器は人気の健康器具です。それがお部屋のいたるところに配置されているなんて、面白いアイデアですね!もちろん運動で使わない時は服を掛けたり、タオルを干したりと別の用途での使用も可能です◎
模型がしっかり作り込まれていて、クオリティが高かったです。スライドに載っている模型の写真を見て(写真左下)、講師の方に「3Dだと思った!」と言わしめるほどの出来栄えでした (*^^*)右下のお写真がその模型です。
ただ、今回選んでくれていた既製品だとかなりコストがかかってしまうところが難点です。アイデアの実現には、費用が付き物です。課題をクリアするには、別の既製品を探すか、鉄パイプを自作するのか……最終プレゼンまでに要調整です^^;
プラン⑥私の集中できる場所
⑥ 【 私の集中できる場所 】 (提案者:Sumireさん/3回生/初参加)
Sumireさんもご自分のとあるお悩みから、デザインを構築したそうです。
ワンルームに住んでいると、作業スペースと寝るスペースを分けることが難しいですよね……《しっかりと作業する時は作業に集中して、寝るときはリラックスして眠りにつきたい》その両方を叶えるために考えだしたデザインがこちらのプランです!
部屋の天井の真ん中に棒を設置して、そこに引っ掛けたスクリーンを〈部屋の仕切り〉にしてしまうデザイン。仕切りで分けた2つのスペースはそれぞれ〈寝るスペース〉と〈作業スペース〉になるわけです。
長時間集中できるスペースとして掘りごたつからインスピレーションを得た作業台、美的感覚を刺激するディスプレイ棚、作業効率をあげるための収納……とても独自性溢れるデザインですね☆彡
ただ、こちらも相当なコストが見込まれます(;^_^A
どこで費用を削るのか、その点はかなりの修正が必要になってきそうです。
また、掘りごたつ仕様にするためにはお部屋全体の床の底上げも必要になります。底上げした部分とベッド台の高さをどう合わせるのかも重要な課題ですね。
独創性とコストのバランス……ブラッシュアップされた最終プランに期待大です!
プラン⑦モコモコの壁
⑦ 【 モコモコの壁 】 (提案者:中島さん/3回生/初参加)
中島さんはZoomでの参加となりました!
話し相手がいないことや、ワンルーム独特の閉鎖的で無機質な空間が〈一人暮らしの寂しさ〉を感じやすくさせているのではないだろうか?という点から、中島さんもひとり暮らしの現況を踏まえてデザインを考えてくださいましたよ(*’ω’*)
華やかな《色》をプラスすること、さらに柔らかい《手触り》をプラスすることで、視覚と触覚の両方から〈寂しさ〉を緩和できるのが【モコモコの壁】というアイデアです。
綿を詰めた布で壁にモコモコを作る、つまりざっくりいえば、クッションを壁に貼り付けるイメージでしょうか。また、ただ単に貼るだけでなく、モコモコは取り外しが可能なんです!布の位置を気分に応じて自由にレイアウト出来るようになっています。
画面越しに模型のモコモコから温かみを感じましたし、触って楽しめるところが大人から子どもまで幅広い世代に受け入れてもらいやすそうでした◎
とてもユニークで、特に飽き性の方にはオススメできる案だなと思いました(*’▽’)お金をかけずに部屋の模様替えができるのは大きなメリットではないでしょうか?
まとめ
というわけで、中間プレゼンが無事に終わりました。
参加してくださった学生さん達からは「緊張した」「楽しかった」と色々な声をいただきました。
自分のオリジナルリフォームプランを考えることだけでもかなり大変だと推測しますが、やはりそのお部屋に入居される方のことや賃貸の現状を踏まえて考えてくださる学生さんは個人的にポイントが高いです。
「自分が住みたいと思う部屋」のプランを作るという出発点ですが、実際にそのお部屋は施工した上で賃貸に出されて【第三者の誰かが暮らしていく】ことになる、というのがこのプロジェクトの面白いところです。
自分が考えたデザインのお部屋に「住みたい」と思ってくれる自分以外の誰かがいるかどうか。その誰かに「住み心地が良い」「使いやすい」と感じてもらえるかどうか。
賃貸物件のリフォームプランは、デザイン性の高さだけでは足りないのです。
あと、やはり費用についての意識も重要なポイントです。机上の空論と化さない、実現可能なプランをどう組めるかが、終着点への架け橋となります。
(そのためにもコスト削減にもご協力くださるととても嬉しいです……笑)
それらのことを踏まえて、今後のブラッシュアップ・修正に活かしていただきたいなと感じた中間プレゼンでした♬
皆さん、一旦お疲れ様でした!また、来年に2月の最終プレゼンでお会いしましょう(^O^)/~~~