「セルフリノベーション」「改装自由賃貸」「カスタマイズ賃貸」など、ここ数年、【住んでいる人が設備の取り換えやお部屋のリフォームを自由にできる賃貸】の人気が高まっています。
最近は【DIY賃貸】という呼び名で、テレビでもよく取り上げられていますね。
目次
DIYとは?
DIYというのは、自分好みに棚をつけたり、部屋の模様替えをしたり、自分のお部屋をコーディネートすることです。DIYできる賃貸マンションは、まだまだ数が多くはありません。
住む人は、賃料を支払って他の人の持っているお部屋を借りているわけです。 自分好みのお部屋作りは家を買ってから、というのが常識でした。
人から借りている部屋を自分で自由にリノベーションするなんてことは、少し前まではNGでしたし、住んでいる人も『自分の家だったら好きなようにできるけれど・・・』と思いますよね。
原状回復問題
今から10年~20年くらい前、大家さん(貸主)と入居者様(借主)の間で発生する最も大きなトラブルといえば、借主さんがお部屋を退去される際の【原状回復】の問題でした。
【原状回復】とは、入居者様(借主)がお部屋を退去する時には、入居した時の状態までお部屋の状態を戻す、という意味です。
『借りたものは元通りにして返すべきである』という考え方
大家さん(貸主)としては、汚れた壁紙、家具や冷蔵庫を置いて凹んだ床の張替、傷んだ畳の張替などにかかる費用を入居者様(借主)に負担してほしい。
入居者様(借主)としては、家賃を毎月払ってきたし、そもそも何年も住んでいれば部屋が汚れるのは当たり前だから、大家さんが負担すべきでしょう、と思う。
平成17年12月に最高裁判所が下した結論は
『通常の生活をしていて発生した損耗については、その修繕費用は家賃に含まれている。
よほど客観的に合理的だと思われる特約を結んで借主の負担と定めていない限りは、貸主が負担すべき』という判断でした。
“普通に”生活していて汚れたり痛んだりする範囲は大家さんが費用を負担するということです。
ただし、入居者様の故意や過失、によって傷んだ部分は入居者様の負担です。
気を付けていればできなかったようなキズや、乱暴に使ったことによる故障などについては、今でも【原状回復】の費用は入居者様の負担になります。