リノベーション~賃貸マンションの外壁の場合~(第2回)

8.完了検査

全ての工程が終了すると、完了検査を行います。当社の場合は、社長をはじめ役員も参加しての完了検査となります。こちらも非常に緊張する瞬間です。先に述べたように、改修の目的は「建物の保全」と「お客様から選ばれる物件にすること」。とりわけ、お客様が住みたいと思っていただける物件に仕上がっているかという点が、最も厳しくチェックされます。

では、みなさんにも賃貸マンションの外壁リノベーションBeforeとAfterの一部をご覧いただきましょう。

外観は改修前の赤茶系×ベージュから、ウルトラマリンブルー×白でさわやかな印象に大変身しました。植林手前にはシンボルのあひる親子が描かれています。

階段部や窓枠を塗り分けることで、メリハリが効いてオシャレに見える気がします。エントランスには新しいメールボックスと宅配ボックスも新設されていました。入居者の方の利便性もアップしたと思います。

共用廊下の床はコンクリート打ちっ放しの状態から、新たに【長尺シート】が貼られています。摩耗や損耗に強く、足音の軽減にもなるそうです。ベランダの床の防水にも新しい床材が貼られていました。

9.番外編、玄関ドアのBefore~After

玄関ドアは現況確認の際に、「このままにしておくか」「塗料で塗り直すか」「シートを貼るか」等といった選択肢が出てきました。今回は【硬質塩ビタックシート(ダイノックシート)】を貼るという手法が採用されました。

まずはシート選びです。ここでもプランナーが【カラーパース】を作成します。

木目調の、ブラック系か、ブラウン系か。プランは2つに絞られました。現地で床材のサンプルとも合わせて確認してみた結果、モダンなブラック系に決定しました。

次に、デザインプランを練ります。ブラックのシートとグレーのシートの貼り分け方は、3つのプランで悩みました。

縦2本のラインで、シンプル&シックなAプラン。真ん中に●3つを並べた大胆なBプラン。四角を4つ小窓のように貼るポップなCプラン。みなさんならどれを選びますか?

実際に採用されたのは……、

こちら、ドアのへこみ部分に合わせて縦ラインが入るデザインになりました。ドアだけでなく、壁、床、ネームプレート等も新しく生まれ変わりました。Before画像とAfter画像を見比べてみて、どうでしょうか?

10.まとめ

なるべく多くの方から「いいね!」と言っていただける賃貸マンションにするために、私たちはマンションの大規模改修工事・リノベーションを行います。

リノベーションチームのメンバーは、何度もプランを練り直したり、細かく職人さんたちと打ち合わせをしたり、確認をしたり……。入居者さんからの「え、めっちゃ綺麗になってる!」というお声や、街行く人の「こんなマンションに住みたいなあ~」というお声を耳にすると「よっしゃ!」という気持ちになります。

みなさんの暮らす街でも「いつのまにか綺麗になってるマンション」を見かけるかと思います。今回のコラムで、その「いつのまにか」の中にはこんな流れが詰まっていたんだなぁと知っていただけたら嬉しいです。

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