私が不動産業に就職し、賃貸仲介のお仕事に携わって早5年が経とうとしています。(仲介会社で約3年、管理会社へ転職後も、自社物件の案内業務を担当して約2年になります。)
つまり、「お部屋探しをしている方」に向けて、「お部屋をご案内する仕事」をしています。
ここで仲介会社?管理会社?不動産屋さん??と気になる方も多いかもしれません。
不動産業を行う会社には、実はいろんな分野があります。簡単に言うと【仲介会社】は入居するまで、【管理会社】は入居してから退去するまでを担当し、どちらも「不動産屋さん」なのです 。詳しく書かれたコラムにもリンクしておきますね。
今回は、私が実際にお客様をお部屋にご案内させていただいた時に【よく聞かれたこと】や【ここは注意して見ておいた方がいいのでは?と思ったこと】をお伝えします!
経験者であればわかる点も、初めての方には何が何だかわからないことって多いですよね。そこで、「初めて内覧(内見)する時って何に注意して見ればいいかわからない!」……そんな方のお役に立てればと思います!
それでは早速、内覧時の注意ポイントと合わせて解説していきます。
目次
ベランダ(大きい窓)をチェックしよう!
特に、まったく知らない地域で、それも生まれて初めて訪れるような場所へのお引越しをお考えの方は、きちんと把握しておいた方がいいと思います。意外と、部屋の中に入ってしまうと「自分がどの方向を向いているのか」ってわからなくなります。そして間取り図からはわからない情報が、ベランダ(大きな窓)からはたくさん入手できますので、そこも要チェックです。
間取り図にはベランダの向きが書かれていると思いますが、わからない時は「このベランダの方角は何向きですか?」と訊いてみてください。すぐに回答いただけると思います。それぞれの方角にメリット・デメリットがありますので、もしかしたら内覧前に調べておくとスムーズかもしれません。
向きについては、一概に「南が良い・北が悪い」とも言い切れません。私は北向きベランダのお部屋にも住んだことがあり、メリットもいろいろありました!その実体験をコラムにしているので、興味のある方はこちらもぜひ読んでみてくださいね。
さて、ベランダの向きのメリット・デメリットはさておき、他の情報もゲットしましょう。
まずは、ベランダに出てみてください。
日当たりはどうでしょうか?目の前に大きな建物が建っていませんか?その建物の窓が目の前にあれば、その窓からこちらの部屋も見えるということです。建物とベランダの距離も重要です。季節や時間によって、日当たりが変わり、影の向きが変わってきます。室内の日当たりは?目の前の建物の影は?内覧しているお部屋にどう干渉してくるかシミュレートしてみてください。
洗濯ものをどこにどう干すのかというところも盲点になりやすいです。想像してみましょう。
鳩や蜂などの被害についても事前にチェックできると安心です。「ベランダに鳩の糞がたくさん……!」「いつの間にかハチの巣が作られていた……!」などの経験談もよく聞きます。
次に、部屋の中に入って窓を閉めて、耳を澄ましてみてください。
外から聞こえる音はどうですか?
公園など緑の多いところだと、そこを訪れる人たちの話し声や、夏の蝉の声などが他よりも大きく聞こえるかもしれません。大きな道路に面していると、昼も夜も大型トラックの走行音が気になるかもしれません。
もともと二重サッシ等が備わっている場合は機密性能が高いのでほぼ気にならないと思いますが、一般的にはあまり普及していません。
ご自身の就寝時間等の生活サイクルと、周囲の音環境は、暮らしてみないとわからないことが多いです。内覧の時に数分だけでも、聞こえてくる音を確認する時間を作るとよいと思います。
視線や太陽光の熱、音を遮断するには、そういう機能付きのカーテンでの対策が便利です。しかし、昼間も休日もずっとカーテンを閉めっぱなしの生活が嫌な方は、目の前の建物や歩く人の視線まで考えて、お部屋を決めましょう。
日当たりや人通りの多さ・環境音などは、一度だけの内覧だと確認しきれない場合もあると思います。お時間があるなら、昼と夜の2回内覧するなど、ご自身で納得いくようにチェックしてくださいね。内覧は何回でもできますので、気軽にお申し付けください。
コンセント(テレビ線等)の配置をチェックしよう!
これはなぜ必要かといいますと、家具・家電の配置の時に重要になってくることだからです。
例えば、テレビはこの部屋のこの位置に置きたいな~!と思っていても、ちょうど良いところにテレビ専用コンセントが無かった場合。延長コードなどで対応は可能ですが、そうなると長いコードが床を這うことになり、見た目が悪くなります。インテリアにこだわりたい方は嫌ですよね。あと、掃除もひと手間かかります。長いコードを持ち上げて掃除機をかける、コードについた埃をふき取る。あ、ふた手間でした。そんなのめんどくさーい!となる方は、テレビ線があるところ=テレビを置くところになるので、せっかく考えていた家具家電の配置も考え直しになってしまいます。もちろん、もともと持っている家具家電の大きさによっては、うまく配置できないこともあります。
テレビ線だけでなく、インターネット専用コンセントも同じですね。特にデスクトップ型のパソコンを部屋に置こうとお考えの方はしっかり確認しておきましょう。回線だけでなく周辺機器につなげるケーブルやコードが多くなりますし、パソコン机は形状や置き方・照明との兼ね合いが重要だったりします。腰痛・目が悪くなる等、おうち作業での健康管理も大切ですよね。
また、コンセントの数が少なく、使いたい電化製品が多い場合は、たこ足配線を余儀なくされることもあるでしょう。しかし、たこ足配線はやり方を誤ると火事や事故のもとになりやすいので、電力会社や電気保安協会等は「たこ足配線は使わないように」と呼びかけています。(仕方ない場合は正しいやり方を検索してみてくださいね。)
というわけで、内覧の際にはコンセントやテレビ線、電話線等の位置や数をチェックしてみてください!
そして写真に撮ったり、もらった間取り図に書き込んだりしておきましょう。そうすれば、家具家電のレイアウトイメージもしやすいですし、お部屋を成約した後で、「あ!ここに置くつもりだったのに置けなかった!」というリスクも減ると思います。
居室の照明器具が必要かどうかチェックしよう!
「照明器具?照明って、スイッチ押したら付くんじゃないの?」という感覚の方は要注意です。
玄関や廊下、洗面所やキッチンなどの照明器具は元々天井に取り付けられている場合が多いのですが、居室(寝室やリビングなど)には付いていないのが一般的です。(当社も転職する前の会社もそうでした。)
新居の天井を見てください。上の写真のように、小さな丸いもの(ソケット)が付いているだけなら、照明器具を自分で購入して取り付ける必要があります。
① モデルルーム用の照明器具
内覧をしていただく際に「実際暮らすとどんな感じか」を想像してもらいやすくするために、モデルルームとして照明器具や家具家電などを置いていることがあります。この場合、入居時には撤去されます。
② 残置物
前の入居者様が使っていた照明器具がそのまま残されている場合があります。そのまま引き継いで使うことは可能ですが、大家さん・管理会社が用意した設備というわけではないので、故障等には対応できません。
いらない場合は「撤去してください」と伝えていただければ入居時までに撤去いたします。
③ 設置物
大家さんが用意した【設備】の場合、それは「借り物」だと思ってください。入居日~退去日まで、お借りしているものなので大切に扱いましょう。修理などの対応は管理会社がしてくれますので、何かあれば連絡をしてください。
④ プレゼント
照明器具や家具家電などが置いてあって、それらが【設備】ではなく【プレゼント】だと説明される場合があります。それは「こちらが用意したけれど差し上げるものなので、持ち主は貴方になります。故障などの対応はできません。退去時にも持って行くかご自身で処分してください。」という扱いのものです。
内覧時に照明器具が付いている場合は「この照明は何扱いですか?残置物ですか?」と尋ねておきましょう。
入居日に「あれ?照明がない!」「あ!照明買うの忘れてた!」と慌てるお客様は結構いらっしゃいます。引越し当日から必要なものになりますので、事前に購入するか当日に購入する予定を立てておいてくださいね。
シンプルで機能的なシーリングライトやオシャレなインテリアライトなど、照明器具は幅広くインテリアへの影響力も高いので、事前に「こんな感じの照明にしたい」と計画を立てておいた方がいいかもしれません。
ちなみに、電気屋さんや日用品を扱うお店(ホームセンターや雑貨屋さん)などで購入できます。照明器具には、適用畳数の表示基準が制定されています。お部屋の広さ(帖数)を把握したうえでお買い物してくださいね。
初めて一人暮らしをする方は、空っぽのお部屋を内覧で見てもイメージがしにくいかもしれません。
洋室6帖のお部屋に、照明・家具家電が入った状態のお部屋のお写真が載っている物件情報をリンクしておきますね。
エアコンが正しく作動するかチェックしよう!
最近の賃貸マンションには、【エアコン1台】が【設備】で付いているところがほとんどです。
【設備】として付いているエアコンの不調や不具合は、管理会社に伝えれば修理してもらえます。お部屋の広さによって付いているエアコンの馬力も変わってくるので、内覧の時に暖房・冷房と調節してしっかりと作動するかチェックしてみてくださいね!その時点でもし不具合等があった場合は遠慮なく伝えてください、入居日までには修理しておいてくれると思います。
ファミリータイプのお部屋ですとリビング等の1室にのみエアコンが付いていて、他のお部屋にはエアコンが付いていないことがほとんどです。実は、エアコンは後から「新たに取り付けることが出来ない」と発覚することもよくあるのです。今エアコンが付いている部屋以外にもエアコンの取り付けが可能かどうかも内覧時に見ておきましょう。
エアコンの取り付けには、①壁に穴をあける(排水管を通すスリーブ穴)②エアコン用の電源がある③外に室外機を置く場所がある、この3点が必要になります。
それらが可能なお部屋と不可能なお部屋があるのです。
まず、お部屋の壁に穴が開けられている場合。
部屋の中からは、上の写真のような【スリーブキャップ】が嵌められていると思います。
これがあればエアコンの設置が可能です。ご自身でエアコンを買って、業者の方に取り付けてもらってください。次の引っ越しで持っていく場合は、業者の方に外してもらわなければいけないので、その手配もしてくださいね。
そして、お部屋の壁に穴が開けられていない場合。
これはエアコン設置不可か、まだ穴をあける工事をしていないかのどちらかです。新たに穴をあける場合は大家さんの許可が必要です。②③の理由や建物の構造上の理由から穴をあけられない場合もあります。まずはそのマンションの管理会社に連絡をして、「エアコンを取り付けたいが壁に穴が開いていない」という旨を伝えてください。
エアコンについてはいろいろとエピソードがあり、それらを詳しくまとめたコラムもあります。
ゴミの出し方もチェックしよう!
ゴミ回収は、物件によって【市町村回収】と【民間回収】(大家さんが民間の業者に委託する)のどちらかになるのが一般的です。
【市町村回収】の場合は、地域によって指定のゴミ袋があります。このゴミ袋はコンビニ・スーパー等で購入できます。そのゴミ袋に入れ、指定された曜日・時間までにゴミを出さなければなりません。(大抵は週に1~2回、早朝8時~9時までに出すようルールがあります)ゴミを出す場所は地域ごとに決まっています 。
市町村ごとにゴミ収集に関するお問い合わせ先もあります。
≪京都市≫のごみの収集に関するお問い合わせ先一覧
【民間回収】の場合、袋は白色や透明ならなんでもOKで、曜日や時間は市町村回収よりも多く設定されている場合がほとんどです。特にいつゴミ出しをしてもいいマンションは「24時間ゴミ出し可」と物件情報に記載されており、人気です。ゴミを出す場所もマンション内にありますので、内覧時にチェックしてみてください。
ゴミ出しは意外と生活の中で重要な部分です。
回収方法が【市町村回収】なのか【民間回収】なのかというだけでも、上記のように大きな差があります。
(大型ごみや金属ゴミなど特殊なものは民間回収のマンションでも回収不可の場合があります。自治体や地域のHPをチェックしましょう。)
分別方法も地域によって大きな違いがありますので、事前にチェックしておきましょう。
まとめ
さて、今回は内覧時のチェックポイントを5つご紹介しました。
1 ベランダ(大きい窓)をチェックしよう!
2 コンセント(テレビ線等)の配置をチェックしよう!
3 居室の照明器具が必要かどうかチェックしよう!
4 エアコンが正しく作動するかチェックしよう!
5 ゴミの出し方もチェックしよう!
まだまだチェックポイントはあるのですが、続きは★第2弾★でお話させていただきたいと思います!
周辺環境のことや、建物のことなどを書く予定です。
初めて気になるお部屋を内覧される際には、ぜひこれらのことをチェックしてみてくださいね(*^^*)
賃貸マンションの構造やルール・契約内容は、物件ごとに違います。契約前に、しっかりとご確認ください。
案内してくださる仲介会社の方がその場で答えられないことは、問い合わせて返答していただけると思います。細かいことでも、気にせずなんでも訊いてみてください。
当サイト「popolato(ポポラート)」に掲載されている物件は、【管理会社】の長栄が大家さん~管理~案内まで全て行っています。物件に関して詳しくご説明させていただきますよ!
お部屋の状況が「空室」「改装中」でしたらお部屋のご案内が可能です。お客様に気軽にお部屋を内覧していただけるよう、現在は物件現地集合・現地解散でご案内をさせていただいております。
VR内覧が可能なお部屋もあります。
気になる物件がある方はぜひお気軽にお問い合わせくださいね(^^)/